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不起訴処分への対処法

 不起訴処分になる場合  
 刑事事件で加害者が不起訴になることがあります。不起訴になる場合としては被害者の過失が大きい場合、被害者・加害者が主張する事故状況が異なっている場合、被害者が加害者と何らかの関係があり処罰を望んでいない場合が考えられます。
この3つの場合のうち、問題となるのは被害者・加害者の主張する事故状況が異なっている場合です。被害者が自分の過失はゼロ、加害者の過失は10割と主張しますが、加害者は被害者とは異なる事故状況を主張し、逆の過失割合を主張します。このような案件は間をとって5対5でというわけには行かず、少額の物損でも多くは民事訴訟となります。

 不起訴処分に対する不服申立 
加害者不起訴につき、被害者が不満である場合、検察審査会に対する不服申立をするという手段があります。
そのためにまず、実況見分調書を謄写することから始めます。警察が認定した双方の言い分を確認するためです。加害者が虚偽の供述をしているならば、何らかの矛盾が見えてくる場合もあります。検察審査会への不服申立の内容としては加害者の主張する事故状況について矛盾点を指摘することに尽きます。
検察審査会は11名の市民からなり、「起訴相当」、「不起訴不当」、「不起訴相当」の議決をします。「起訴相当」の議決をするには8名以上の賛成がなければなりません。
「起訴相当」、「不起訴不当」の議決がなされた場合、検察官が補充的な捜査をしますが、再び、不起訴となることが多いというのが私の実感です。

※不起訴処分に対する不服申立例

 不起訴処分になった場合の損害賠償~1(被害者の過失が大きい時) 
交通事故の加害者が不起訴になった場合、民事訴訟(損害賠償請求)についてはどうするかと考える必要があります。
被害者に全面的な過失がある場合、民事訴訟はあきらめるべきです。
被害者に全面的な過失はないものの過失割合が大きい場合、加害者は不起訴となる可能性があります。 この場合、民事訴訟をすべきか否かは難しいところです。
一つは後遺障害の被害者請求をして終わらせるということが考えられます。被害者過失が大きくても、なお、残額の請求ができる場合は民事訴訟をすることになります。加害者側任意保険会社は対応をしないので、訴訟が唯一の手段ということになります。
私は被害者過失7割の事例で訴訟をしたことがあります。被害者は自賠責に被害者請求をしておりましたが、減額されて支払われており、自賠責でも被害者過失が7割以上と判断されていた事案です。しかし、若年者で後遺障害も重かったため、私は7割の過失相殺でも残額があると判断しました。
被害者は私に依頼をする前に他の弁護士に依頼をしておりましたが、訴訟をしても敗けるとの判断で辞任したので、私に依頼をすることになりました。私自身も自信はなかったのですが、結局、裁判所は過失相殺7割での和解案を提示し、ある程度のまとまった金額で和解が成立しました。
被害者過失が大きくても、やってみないと分からないことがあります。

 不起訴処分になった場合の損害賠償~2(事故状況に争いがある時) 
事故状況について被害者と加害者の主張が異なる場合は民事訴訟では勝ち負けの見通しが困難であり、交通事故訴訟の中では最も難しい部類に属すると言えます。些細な主張の違いならば間をとるということもできますが、真っ向からの主張が異なっている場合はそうした解決をすることはできず、判決まで行くしかありません。
その場合、まず実況見分調書を謄写して、そこから対策を練っていくことになります。対策とは具体的には間接的な証拠により、被害者側の主張する事故状況が合理的であるとを証明することです。「合理的」とは事故状況が自然であることや(当該状況で普通、人はこういった行動をとるという場合は自然ということになります)、間接的な証拠からでも無理なく事故状況の証明できることを意味します。
そのような事案で私が扱った加害者無過失主張の事例があります。
この事例は被害者の骨折状況、被害車両・加害車両の破損状況、現場近くにいた人の衝突前後の供述(事故は目撃していない)などの間接的な証拠を総合して加害者側の主張よりも被害者側の主張が合理的であると裁判所が判断したものです。加害者が不起訴と
なりましたが、過失割合は加害者が10割とされました。
このように加害者が刑事事件では不起訴になり、民事では過失割合10割となるのはレアケースだと思いますが不起訴でも民事訴訟を直ちに諦めるべきではなく、勝ち目があるか否かにつき十分に検討する必要があります。