他法律事務所との弁護士報酬比較例

A法律法律事務所(税別)
着手金0円
報酬金は20万円+回収額の10%とします。
弁護士費用特約がある場合
→回収額3000万円を超える場合は9%+207万円で計算します。

B法律事務所(税別)
着手金0円
報酬金は回収金額の15%又は増額分の20%
弁護士費用特約がある場合
→A法律事務所と同じ

損保から示談案の提示がなく5000万円で示談した場合(7級)

<当事務所の場合> 
・自賠責保険金1051万円が上記5000万円に含まれている場合
・・・経済的利益は3949万円となるので着手金と報酬金の合計は613万8000円
・自賠責保険金1051万円が上記5000万円に含まれていない場合(被害者請求先行)・・・着手金と報酬金の合計は722万7000円

弁護士費用特約の有無は関係なし
自己負担分 313万8000円、422万7000円

<A法律事務所の場合>
いずれの場合も561万6000円

弁護士費用特約がある場合・・・709万5600円
→自己負担分 409万5600円

<B法律事務所の場合>
いずれの場合も810万円

 2000万円の提示があった時点で弁護士に依頼し5000万円で示談した場合

<当事務所の場合>
経済的利益は3000万円なので着手金と報酬金の合計は524万7000円
被害者請求をしているか否かに関わらず上記の額となります。

弁護士費用特約の有無は関係なし
→自己負担分224万7000円

<A法律事務所の場合>
561万6000円(1の場合と同じです)

弁護士費用特約がある場合・・・709万5600円
→自己負担分 409万5600円

<B法律事務所の場合>
648万円

※上記の例ではたまたまB法律事務所のほうが高くなっております。差額を基準としたほうが弁護士報酬は安くなるという傾向はあるにしても、常にそうなるわけではありません。
これはX(回収額)、Y(差額)としますとXと2Yがどちらが大きくなるかという問題です。示談や判決でX<2Y、X=2Y、X>2Yのいずれが成り立つかということですが、これは誰も答えられません。弁護士に依頼しようという方は「どの法律事務所が一番安いか」という発想を捨てるしかありません。こうした微妙な問題はなく、どう考えても余りに高いのは止めたほうが良いとは思いますが。

※経済的利益を増額分の20%とする弁護士報酬は高いか安いか考えます。
大雑把に言って旧弁護士報酬規程では経済的利益が500万円以下ならば弁護士報酬は20%以上、500万円を超え2億1000万円以下ならば20%~10%、それ以上ならば10%以下となります。色々な法律事務所の解決例を見ていますと物損、非該当事案、14級事案が殆どであり、経済的利益が500万円を超えないと考えられます。そうしますと増額分の20%という弁護士報酬は決して高くはないと言うことができると思います。

死亡事故で損保からの示談案の提示がなく7000万円で示談した場合

<当事務所の場合>
被害者請求したならば3000万円が支払われる場合(通常の場合)
経済的利益は4000万円なので着手金と報酬金の合計は623万7000円

弁護士費用特約の有無は関係なし 
→自己負担分 323万7000円

<A法律事務所の場合>
777万6000円

弁護士費用特約がある場合・・・903万9600円
→自己負担分 603万9600円

<B法律事務所の場合>
1134万円

経済的利益の大小による差

弁護士費用特約がない場合を前提としています。
事例1
損保が130万円提示している段階で弁護士に委任し300万円で示談できた場合
事例2
損保が1300万円提示している段階で弁護士に委任し3000万円で示談できた場合

<当事務所の場合>
事例1   44万8800円
事例2  310万2000円 

<A法律事務所の場合>
事例1     54万円
事例2 345万6000円

<B法律事務所の場合>
事例1   36万7200円
事例2  367万2000円

事例1ではB法律事務所、当事務所、A法律事務所の順で弁護士報酬が大きくなります。
事例2では当事務所、A法律事務所、B法律事務所の順で弁護士報酬が大きくなります。
何故、順位が異なっているのかと言いますと、当事務所は旧弁護士報酬規程に準じた基準としているのですが、旧弁護士報酬規程は経済的利益が大きくなるほど報酬増額率が少なくなるという設定をしているからです。例えば経済的利益170万円では弁護士報酬(着手金と報酬金の合計額)はその24%、経済的利益1700万円では約17%、経済的利益1億7000万円なら約10%です(いずれも税抜き)。
これに対し、A、B法律事務所は経済的利益に関わらず定率ですので、当事務所よりも報酬が大きくなります。
経済的利益が数十万円か、数百万円か、数千万円かの観点から、どの法律事務所に依頼すべきか考えることも必要となります。
当事務所の場合、経済的利益と弁護士報酬の関係は上記の通りですが、単純な方程式が成り立たないため、報酬表を公表しております。

総   括

法律事務所は一見してどこも似たような報酬基準のようですが詳しく分析すると大きな違いがあります。被害者の方は損保が示談案を提示しているか、症状固定しているか、等級は認定されたか、被害者請求を済ませたか、経済的利益はどの程度の額となりそうか等々の事情を勘案して報酬がより合理的な法律事務所を捜すべきでしょう。

その中で最も留意すべきは以下の点です。
1 損保が示談案を提示している時、経済的利益を「差額」としているか「獲得額」としているか否か
→経済的利益を「獲得額」とするより「差額」としているほうが弁護士報酬は低くなる傾向があります。しかし、損保が示談案を提示していない段階で弁護士に依頼した場合は「差額」という基準を採ることはできず、「獲得額」を基準にすることになります。
なお、「獲得額」とは何かということに注意をする必要があります。「獲得額」=「示談額」でない可能性もあるからです。「獲得額」とは弁護士受任後に損保から支払われた通院交通費、休業損害、治療費等の内払い金すべてを含むとしていることもあると聞いております。

2 損保が示談案を提示していない場合、自賠責保険金額を控除した額を経済的利益としているか否か
→後遺障害等級が高くなる場合、死亡事故の場合は自賠責保険金が全体の損害に占める割合が大きくなります。従って、自賠責保険金分を任意保険金分と区別せず、同率している場合、弁護士報酬は高額になります。

3 相談料0円、着手金0円は集客のための戦略であり、安さを意味するものではない
→説明するまでもないと思います。弁護士報酬が高いか低いかはトータルで考える必要があります。

4 弁護士報酬は経済的利益に対して一定の比率であるか、それとも経済的利益の大小により比率を変えているか
→旧弁護士報酬規程は経済的利益が大きくなるにしたがって、弁護士報酬の割合を低くするという設定をしていますが、単純な方程式は成り立ちません。大雑把に言いますと税抜きを前提としますが、経済的利益が500万円ならば弁護士報酬はその約20%、600万円位で20%を下回ります。弁護士報酬が経済的利益の10%を下回るのは経済的利益が2億1000万円を超えるくらいからです。

5 弁護士費用特約を使用する場合、高めの基準となっていて限度額を超える可能性があるか否か(以下の点に注意)

弁護士費用特約を使用出来る場合は以下の点に注意しなければなりません。
1 弁護士報酬を高めに設定している場合、限度額の300万円を超過すると、予想外の大きな自己負担が生じます。限度額の300万円以内ならば報酬基準の高低は問題となりませんが、高額案件では弁護士報酬は通常、限度額を超えるので注意が必要です。
2 着手金については「回収見込み額」を基準としている例もありますが、そもそも、回収見込み額など不明ですので、結局は「膨らませた請求額」ということになり、着手金は過大になる可能性も考えられます。
特に敗訴の濃厚な事件において膨大な訴額の訴訟を提起して着手金として限度額の300万円を使い切る「弁特食い」の余地を与えることに留意すべきです。
3 判決が下され損害に弁護士費用が付加されますが、その際に特約の適用がない場合や特約から支払済みの着手金、訴訟費用を返還しなければならない場合があります。つまり、特約があってもないのと同じということになります。他法律事務所のHPでは全く説明がされておりません。ですから、弁護士報酬300万円の範囲ならば、被害者の負担はないという説明は正確ではありません。

いずれにせよ、主張、立証のために弁護士が費やす時間や努力が同じであるのに、弁護士費用特約のある場合とない場合と分けるダブルスタンダードは合理性がないと私は考えています。